ピンバッジの留め具
ピンバッジを構成するパーツは、大まかに言うと「プレート」「針」「留め具」の3種類です。プレートから垂直に出た針をスーツの襟や帽子の布地などの装着する場所に刺し、針先を留め具で受ける形式となります。 留め具は「アタッチメント」や「キャッチ」「クラッチ」とも呼ばれています。「金具」という表現をする方もいらっしゃいます。留め具にはさまざまな種類があり、各々用途に応じて使い分けされています。たとえばピンバッジではポピュラーな留め具、社章に選ばれている留め具、校章に適した留め具、女性が使用するバッチに選ばれている留め具、衣服に穴をあけずに装着できる留め具、小さいお子様が扱われる場合の安全面を考えた留め具など、利用用途に合わせての選択が可能です。オリジナルでピンバッジを製作するのに「どの留め具を使って良いかわからない!」という場合でも、担当のスタッフが説明や適切なご提案を行いますのでご安心ください。
クラッチ
【バタフライクラッチ】
ピンバッジと言えばバタフライクラッチが最もポピュラーな留め具で、名前の由来ともなる“蝶の羽”のような形状のつまみはピンバッジ以外のバッチには見られない唯一無二の特徴と言えます。また、あらゆる用途のピンズに使用されています。バタフライクラッチはピンバッジメーカーによって調達する製造工場が異なり、メーカーによっては品質が不安定で、針がバタフライクラッチを突き破ったり、外れやすくなる可能性があります。PINS FACTORYは素材の厚みや耐久性、持ちやすさを定期的に確認してバタフライクラッチの品質を一定に保つよう努力しています。
「バタフライクラッチ」
「蝶タック」
【バロー社製バタフライクラッチ】
海外工場が製造を行うノンブランドの標準バタフライクラッチは、当時アメリカの宝飾部品メーカーのバロー社(B.A.BALLOU&CO.INC.)がライセンス許可を与えていると言われています。PINS FACTORY内では「バロークラッチ」とも呼んでいます。ノンブランド品と比較して留める力が強力で通常のバタフライクラッチよりもきちんと留まった感触があります。またこだわりを持たせたいピンズに使用されることから、バロー社製バタフライクラッチのブランド価値や希少性の面から特別なピンバッジへの使用を検討すべき留め具として推奨しています。バロー社製のバタフライクラッチの主な特徴は次の通りです。
またバロー社製のバタフライクラッチにはその証として必ず”BALLOU REG’D”の文字が刻印されていることも特徴です。 バロー社製バタフライクラッチの特徴とその価値
【バロー社製バタフライクラッチの取り扱いについて】
バロー社ではバタフライクラッチの材料確保が難しいことと、従来のバロー社製バタフライクラッチの品質を保った生産が行える体制ではないことから、現在はここで説明しているようないわゆる「バロー社製バタフライクラッチ」を入手することがほぼ不可能な状況です。したがって現在はお客様に「バロー社製バタフライクラッチ」をご提供することができません。
また「バロー社製バタフライクラッチ」のこうした市場の状況を利用して、バロー社とは関係のない企業が「バロー社製バタフライクラッチ」と偽ってピンバッジメーカーに納入している可能性がございますので、他のピンバッジメーカーで「バロー社製バタフライクラッチ」を仕様としたピンズをご注文する場合はご注意ください。(2023年8月)
タイタック
【国産タイタック】
オフィシャルな質感が問われる仕様のピンバッジの留め具としてタイタック全般が選ばれています。国産タイタックはボールベアリング、ワッシャー(材質:真鍮)のパーツで構成されて、留めつけのなめらかさ、外れにくさ、構造の精密さなどに優れています。他のアタッチメントと比較して針が細いために、衣服への留めつけによる穴を最小限に留められる理由でも国産タイタックは選ばれています。
【海外製タイタック】
他のタイタックと同様にパーティや式典など重要なシーンで使うピンバッチや、オフィシャルな質感が問われる仕様のピンバッチの留め具として選ばれていますが、国産タイタックと比較してリーズナブルな調達コストも選ばれている理由となっています。留めつけと外れにくさも国産タイタックと同様にしっかりしています。
【動画付き】海外製タイタックの留め方・外し方【海外製薄型タイタック】
他のタイタックと同様にパーティや式典など重要なシーンで使うピンバッチや、オフィシャルな質感が問われる仕様のピンバッチの留め具として選ばれています。他のタイタックよりも高さのない薄型の仕様のため、「国産タイタック」や「海外製タイタック」と比べて襟に留めたときに襟が持ち上がって見えることもありません。国産タイタックと比較してリーズナブルな調達コストも選ばれている理由となっています。また留めつけと外れにくさも国産タイタックと同様にしっかりしています。
「(海外製)薄型タイタック」
「(海外製)臼型タイタック」
「スモールタック」
スクリューナット(ねじ式)
スクリューナットは「スクリュー&ナット」の構成の通り「ネジ式」のため、主に襟に穴が空いているタイプのスーツ・衣類への使用が前提となりますが、よりしっかりとした留め付けが可能な国産のアタッチメントです。「社章」や「校章」によく選ばれています。
「スクリューナット」
「スクリュー&ナット」
「ねじ式」
セーフティピン
プレートに対して垂直に付くタイプのバタフライクラッチなどのアタッチメントでは、「こどもが衣服につける場合にちょっと心配」という場合などにセーフティーピンタイプが選ばれています。
「セーフティピン」
「造花ピン」
マグネット
針を使ったアタッチメントとは違って、磁石で生地を挟むため衣服に穴を開けることなくピンバッジを装着できます。磁石の厚みが厚い方が磁力は強くなります。PINS FACTORYでは一般的なバッチのマグネットタイプよりも厚い、直径10mm厚み2mm or 3mm仕様の磁石を標準で使用しています。また磁石に金属製のカバーをつけておりますので、手で脱着しやすいように設計されています。
その他(ピンバッジ以外の留め具)
PINS FACTORYはピンバッジの専門メーカーですが、お客様のご要望を多くいただいてピンバッジの製作技術を応用したオリジナル製品のご製作も承っております。
【ハットピン】
その名の通り、元は帽子につけるお洒落な装飾品のパーツとして使用され始めましたが、今となっては帽子だけでなく、ジャケットの襟や女性のスカーフになどに留める場合にも使用されています。長い針の先と留め具のパーツで構成されて、日本製のハットピンには留め具にタイタックのようなロック機構がありますが、海外製のハットピンの留め具はシリコンが針を受け止める構造でロック機構はありません。ステイタスの高い資格者を識別する場合や表彰記念イベントの際のバッチなどに使用されています。
「ハットピン」
「ロングニードルピン」
【クリップ】
「ミニタイバー」は、「服に穴を空けたくない!」というご要望の場合に非常によく使用されています。また脱着の手間がかからないことから、プレス記者が現場に赴いたときにすぐにバッチをつけ外しできるとして、こうした職業の方がつけるバッチにはミニタイバーが選ばれています。
「安全ピン付きクリップ」はクリップと安全ピンの2種類がついているため、胸ポケットやネックストラップ、または服に穴を空けて付けることが可能です。「どんなユニフォームでも、そして夏服でも冬服でもシーズン関係なくつけることができる」として選ばれています。部署や性別によって服装が異なる組織には便利な留め具かもしれません。主にスタッフの識別の用途のバッチなどに使われて、クールビズが始まったときにはよく選ばれていました。
【ネックストラップ】
ピンバッジの工法を活かした、プレート型アクセサリーを装着したネックストラップです。ネックストラップの先にIDカード収納用のパスケースを装着することができます。 プレート部分に会社のロゴを使用し、社内共通のネックストラップとして使用する企業が増えております。※紐部分は複数色揃えております。
【詳細】ネックストラップ、パスクリップについて【タイバー&カフス】
「タイバー」と「カフス」は、ネクタイが制服の一部となっている組織が使用するファッションアイテムとしてのバッチに選ばれています。またファッション業界でのノベルティにも使用されています。
「タイバー」
「タイピン」
「ネクタイピン」
この留め具は以下の表記のようにピンバッジ製作会社によって呼称が異なります。
「カフス」
「カフスリンクス」
【その他】
上記の留め具以外にもピンズの針の部分を様々なアタッチメントに変えることができます。
その他、各種アタッチメントパーツを取り揃えておりますので「こういうの作れる?」という感じでお気軽にご相談ください。また、アタッチメントパーツだけの販売は行っておりませんのでご注意ください。