ピンバッジ、ピンズ、ピンバッチとは?
ピンバッジの特徴
ピンバッジとは、長径30mm前後の金属プレートの裏側に針を垂直に接着し、 針を受ける留め具(キャッチ)と本体部分(金属プレート+針)から成る形式のバッチが一般的に「ピンバッジ」「ピンズ」「ピンバッチ」と呼ばれています。
ヨーロッパで発祥したと言われているピンバッジはコレクターズアイテムとして絶大な人気があり、世界中に膨大な数のコレクターが存在しています。 国際的なイベントでは、必ずと言っていいほど公式の記念ピンバッジが製作され、その希少性から大変な人気を呼んでいます。国内でも企業や団体をはじめ、個人やサークルの方まで、幅広い方々が製作されています。
ピンバッチの留め具(キャッチ)の種類は、“つまみ”が蝶の羽のような形状をした「バタフライクラッチ」は、「ピンバッジと言えば…」というイメージを作る最もポピュラーな留め具(キャッチ)と言って良いでしょう。その他にも「タイタック」「スクリューナット」など、ピンバッチには様々な留め具(キャッチ)の種類があります。
「ピンズ」「ピンバッジ」「ピンバッチ」…正しいのはどれ?
日本と海外の違い
通称として“ピンバッジ(ピンバッチ、ピンバッヂ)”と呼ばれることが多いですが、日本以外では稀な呼び方で、国際的には“ピンズ(PINS)”と呼ぶのが標準です。単に、“バッジ(バッチ、バッヂ)”と呼ばれることもあります。
一説では徽章(襟や帽子につける何かの証となるしるし)を総称してbadge=バッジと呼称して、そうしたbadge=バッジに、針を意味するpinがついているために「ピンバッジ」となったとあります。しかし、badgeはスペルにdがあるために日本語ではバッヂと表記されたとあります。これはbuilding=ビルディングがビルヂングと表記されるケースと似ています。同様にそうしたプロセスで「ピンバッジ」が「ピンバッヂ」と表記されたことが推測されます。日本ではバッジ=バッヂ=バッチを意味するなら、「ピンバッチ」の表記も当然の成り行きだったのかもしれません。
パリのギャルソンから広まったこと
またフランスはパリのカフェで黒いベストを着たギャルソン(ウェイター)が、観光客からチップの代わりに渡されたPINを勲章のようにベストに着けて颯爽と接客をしていた、というエピソードがあるようです。ステイタスとして自分のベストに所狭しと多くのPINを誇らしげにつける姿が目に浮かびますね。これがきっかけかどうかはわかりませんが、ピンバッジの発祥と言われるヨーロッパでは「PIN」「PINS(ピンズ)」という表記が広まったそうです。
ピンバッジのこうした表記のゆらぎを生んだ背景には、ピンバッジ製作に携わってきた各徽章メーカーやSP代理店などの間で統一された共通の言語が無かったことが挙げられます。メーカーによって「バッジ」や「バッヂ」などと呼び、今なおその呼称にバラつきがあることが日常です。
結局は…
今日では「ピンバッジ」と表記されることが多いようですが、ピンバッジ業界内でも金属でつくられた小さなピンバッジの呼び名をこのように様々に使用していることが現実で、はたしてどの表記が正しいかは不明です。どの表記でも物質としては同じものを指しているのですが…。しかしパリのギャルソンのエピソードで、チップ代わりにPINS(ピンズ)を渡す観光客とそれを勲章のように誇らしげにつけるギャルソンの間では、単にバッジ形式の物質ではなくPINS(ピンズ)がメッセージを伝えるものとして機能しているように思えます。様々な表記があるものの、そうした価値やメッセージを伝える本来の在り方や本質を伴うPINS(ピンズ)づくりを目指して、PINS FACTORY(ピンズファクトリー)はそれをブランド名に冠しています。
ピンバッジの使いみち
ピンバッジの使いみちは大きく2つに分けることができます。インナーコミュニケーションとアウターコミュニケーションです。その2つの中で、インナーコミュニケーションでは「組織の強化」「団結力強化」「マネジメント」を主な用途として、アウターコミュニケーションでは「プロモーション」「ブランディング」「PR」「販売製品」を主な用途としてピンバッチが活用されています。
↓下はピンバッジの使いみちのほんの一例ですが、画像をクリックすると各々の用途で製作されたオリジナルのピンバッチ実例一覧が見られます。
ピンバッジの種類
ピンバッジの作り方を「工法」と呼んでいますが、その工法によって仕上がりに変化があることもピンバッジの大きな特徴と言えます。ピンバッジの工法は主に以下の工法に分けられます。
・「スタンププレス工法」
・「エッチング工法」
・「プリント工法」
・「インジェクション工法」
この工法に「本七宝」「合成七宝」「ソフトエナメル」などの着色方法と組み合わせただけでも、様々な仕様のピンバッジに変化します。このうえさらにメッキ、材質、留め具などの複合要素を組み合わせることで、バラエティ豊かな種類のピンバッジを製作することができます。
どう使い分ければ良いのか?
ピンバッジの仕様は、どの程度の納期、予算、耐久性、再現性、品位、利用シーンなどの条件によって、どのような仕様に設計したら良いかを決めることが適切かと思います。ピンバッジを使う際に「どんな条件を優先して製作すれば良いのか?」を判断することが、ピンバッジの適切な仕様のポイントとなります。したがって、ピンバッジ製作のご相談は、どんなご要望があるのかをお伝えしていただくことが良いピンバッジを作るはじめの一歩となります。
ピンバッジはこうして作られます
ピンバッジは様々な工法(作成方法)がありますが、中でもピンバッジの代表的な工法と言えばスタンププレス工法になります。デザインを施した金型でスタンプのように押し付けて金属板に凹凸をつける工法です。このスタンププレス工法で、金属板がピンバッジになるまでを動画にまとめましたのでご覧ください。
※スタンププレス工法でソフトエナメルで着色した場合の製作動画になります。
ピンズ(ピンバッジ、ピンバッチ)の力
世界的に人気があり、国内では様々な場面でピンズが利用されるのはなぜでしょう。それは「メッセージを語る力」という言葉に集約されますが、ピンズが“限定”、“共有”、“継続”というエッセンスを歴史的に育み、所有しているからといえます。
現在、社会のいたるところで、個人と組織が相互に知識や情報、能力を共有し、利用する仕組みを考えることが、とても必要だとされています(一般的にナレッジマネジメントとよばれます)。このプロセスを継続的に推進してゆく仕組みには、ピンズのエッセンスが有効です。ブランディングにも活かされるところから、ピンズの使用機会は更に高まってゆくと考えられます。
さあ、いよいよ日本にも本格的なピンズ時代の到来です。
PINS FACTORYのピンズ(ピンバッジ)に対する考え
私たちのミッションは、“We give small things the power to tell your best message.”です。つまり、“小さなもの(ピンズ)”にお客様の発する大切なメッセージを“語る力”を与えることです。
最も重要なのは、もちろん受け取った人にすぐにメッセージを想起していただくことです。しかし、5年、10年、20年・・・と経って、ピンズを手にする人が、「あの日」「あの場面」を、手のひらにある“小さなもの”を渡した人の笑顔と共に思い出す時こそ、私たちの仕事のうちの“いくばくか”が完了する時だとも思うのです。このミッションのために、ピンズファクトリーは存在しているのです。