モニター製作事例03
株式会社イオンファンタジー様のモニター製作実例をご紹介
全国のショッピングセンターへ、誰もが遊べる遊び場をご提供する事業を展開されている株式会社イオンファンタジー様(以下、“株式会社”省略)。オリジナルキャラクターである「ララちゃん」の広い認知を目的として、キャラクターショーなどで配布するピンズの製作を承りました。
1. お預かりデータ
この企画が始まって間もなく、イオンファンタジー様から「ララちゃん」の認知拡大を目的としたピンズのイメージデータをいただくことができました。それはキャラクターの魅力が伝わるイメージで、ピンズデザインのデータとしてほぼそのまま入稿できるクオリティです。
ピンズというと凸凹の金属線で表現するタイプが“ピンズらしさ”を表現できる方法ですが、キャラクターの場合、一般的にはビジュアルアイデンティティが遵守されて、金属線ではなくプリントで表現されます。プリントが施された面に透明エポキシでコーティングをした、つるんとした見た目のピンズです。今回の場合もキャラクターの魅力を充分に伝えるピンズにするため、凸凹の金属線ではなくプリントで表現する工法が基本となります。さらに、よく見るとグラデーションが使用されています。このグラデーションが表現できるのはオフセットプリントだけ。
このいただいたデザインのままオフセットプリントすることもお客様の選択ですが、PINS FACTORYとしては2種類のデザインパターンをご提案させていただくことになりました。
2. デザインご提案~入稿
前回いただいたデータを元にご提案させていただきましたのが上記2点です。見た目の違いは輪郭線の太さしかありませんが、その工法は大きく違います。
No.1の方は金メッキを施した金属板にオフセットプリントをしたもので、仕上げに透明エポキシで表面をコーティングします。
No.2の方は金属の凸線で形成した外郭の内側の凹部分に合成七宝の白色を着色し、熱硬化した白色にオフセットプリントを施しています。
つまり、合成七宝+オフセットプリントになります。
その違いを大まかな断面図にすると下記の図のようになります。
実際に完成した時の2つのイメージの違いは、No.1のほうが平たく軽いカジュアル。No.2の方は金属の質感と重厚感のあるイメージ。
この2つのうちNo.1の方をイオンファンタジー様は選ばれましたが、担当のクライアントパートナーがNo.2と同様の合成七宝+プリントのピンズの現物サンプルをお送りして確認していただいたところ、最終的にはNo.2のデザインに決定いたしました。
その際、承ったご要望は外郭の金属線の太さをNo.1と同様にして欲しいというものでしたので基本的な仕様をNo.2にして金属線の太さだけをNo.1にしたデータを作成しました。
それが下のデータです。このデータだけ見るとNo.1と変わりはありませんね。
これが実際にピンズになるとどうなるか。このデザインを入稿データとしてサンプル(試作品)を製作した次回に掲載いたします。
3. 校正サンプル提出~完成
前回で作成しました入稿データを元に、校正サンプルを製作します。
この校正サンプルでご指定の仕様に誤りがないかを確認して校正を行います。確認後、問題がなければ校了となり、この校正サンプルと同仕様のピンズを量産製作して納品となります。
入稿データから製作した校正サンプルをご提出したところ、お客様から「校正サンプルの色が濃い」というご指摘を受けました。
イメージよりも校正サンプルの方が少し強めに色が濃く出ているという状態です。
そこで、改めて校正サンプルを製作することになりました。
今度は、全体的にキャラクターの色を少し抑えて校正サンプルを製作。再度、ご提出すると「OK」をいただいて、量産製作~納品となりました。